神奈川リハビリテーション病院
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 二分脊椎〜脳神経外科
脳神経外科と二分脊椎
 二分脊椎は背髄の先天奇形のひとつです。その程度にもよりますが、脳神経外科、泌尿器科、整形外科の手術が必要な病気です。脳神経外科で必要な手術について説明したいと思います。
@ 脊髄髄膜瘤閉鎖術 
 二分脊椎で生まれつき腰の背椎が閉鎖せず脊髄と神経が背中に露出した状態が脊髄髄膜瘤(せきずいずいまくりゅう)です。髄膜炎の危険があり生後すぐに閉鎖術が必要となります。神奈川県では県立こども医療センターや大学病院等で行われます。
A 水頭症に対するシャント術,シャント再建術
 80%の症例で水頭症を合併するため髄液のシャント術が必要となります。通常は生後1ヶ月以内に行われます。外径2mmの管で脳とお腹を結び余分な頭からお腹に髄液を流します。シャントはシリコン製の人工物であり数年から20年で詰まったり切れたりします。シャントが流れなくなると脳の圧が上がり、頭痛や嘔吐が出現します。そうなりますと緊急でシャントを修理する再建術が必要となります。また、身長の伸びに合わせてシャントの管の長さを延長する必要があります。シャントを流れる髄液の量はバルブでコントロールしています。バルブの圧、流量は外から特殊な装置を用いて変えることができます。最近ではシャント以外の神経内視鏡を用いた手術方法(第3脳室開窓術)も可能な場合があります。第3脳室開窓術が行えれば、シャントが必要なくなります。全例にできるわけではありませんが、画期的な方法です。当院でも神経内視鏡専門医がおり実施することが可能です。
水頭症CT画像
上のCTは左が水頭症で右が正常です。水頭症では脳の中央の髄液を貯める脳室が拡大して脳を内側から圧迫します。
シャントバルブの写真
シャントバルブです。中央の時計のような部分でバルブの圧を外から磁石を使って変えられます
神経内視鏡の写真
神経内視鏡です。外径が4から5mmです。基本的な構造は胃カメラと同じです。

B脊髄脂肪腫摘出術,脊髄係留解除術
成長期に問題になるのが、脊髄脂肪腫、脊髄係留症候群(せきずいけいりゅうしょうこうぐん)です。腰の部分で癒着した背髄は身長の伸びについて行けずに引き延ばされます。足や膀胱・直腸に行く神経が引き延ばされてその機能が低下すると、転びやすくなる、尿を漏らすようになるなどの症状が学童期や思春期になって出てくることがあります。脂肪腫を摘出して脊髄下端の癒着を剥離することで症状が改善します。当院では、足の筋力、肛門括約筋の状態を電気的に測定しながら安全に手術を行うことができます。
Cその他
側弯症に伴う脊髄の変性により脊髄空洞症を来す場合もあります。これは脊髄に無理な力が働き、脊髄の中に髄液が貯まってしまう状態です。脊髄空洞症も手術が必要となる場合があります。
二分脊椎は先天奇形ですが、成人でも症状が悪化する場合があり、最低でも年1回の脳神経外科の診察と検査をしておいた方が安心です。当院では泌尿器科、整形外科、リハビリテーション科、小児科などと協力して子供から大人まで二分脊椎の治療が行える数少ない病院です。
医療局長 所 和彦(脳神経外科)
腰椎MRI画像
腰椎のMRIです。左が正常、右が脊髄脂肪腫です。正常では第1から第2腰椎の高さに脊髄の下端があり(黄矢印)、その下は馬尾神経となり坐骨神経に繋がります。右の脊髄脂肪腫では脊髄下端が第2仙椎S2にあり脊髄が下まで引き延ばされています。白いのが脂肪腫です(赤矢印)。

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